無題
また過去をなぞっている。
過去をなぞっても君は戻って来ない。
それでも僕は求め続けている。
叶うはずないと諦めているふりをして生きている。
それでもどこかで諦められない僕がいる。
確かに存在する。
諦められない僕は声を上げて叫んでいる。
君を求めている。
だから僕は動けずにいた。
君が戻って来るかもしれない場所に、居場所を求めた。
君が気づくように、僕は僕を変えずにそこに居る。
無駄な事をするのが僕なのだと思う。
その無駄は僕を救うから。
もう断ち切れてしまった糸を僕は必死に放すまいとしている。
血を流しながら握っている。
涙を流しながら放せないでいる。
繋がっていると思っていたい。
まだ希望があると思っていたい。
いつかまた、君と出会えることを期待していたい。
だから僕は、過去の僕をなぞる。
続けていれば、少なくとも
過去の君には会えるから。